ひきこもりニートになった経緯と思うこと〜局所多汗症の弊害について〜

皆さま今日は今晩はニートです。

 

ジャンク紹介をメインにこのブログを書いてきましたが今回は僕がひきニートになった経緯と同じような思いで苦しんでいるひきニート予備軍のみんなへのメッセージを綴ってみます。

 

この世には知られていない病気が沢山あってみんな多かれ少なかれコンプレックスを抱えて生きてると思います。

僕の経験から得た事を下手くそな文章ですが書いてみたので少しでも何かの参考になれば嬉しいです。

 

 

 

原発性局所多汗症って何?

 

突然ですが僕は特殊な病気です。原発性局所多汗症と言って2008年に国の指定難病になった病気です。

指定難病なので発症原因不明で治療方法が確立されていません。

 

症状は手のひらと足の裏から異常な量の汗が出続けます。これを原発性局所多汗症の中で手掌足底多汗症と言います。病状により3段階有りますが僕は一番重症のレベル3でした。手のひら足の裏を汗が流れ落ち水溜りが出来るレベルです。

 

普通の人も緊張したり危険を感じた時には手や足に汗をかきますよね。これは昔々の人間の祖先が狩猟生活をする中で獲物や敵と対峙した場面で緊張状態にしてパフォーマンスを上げるため身についた本能的な体の機能なのですが、多汗症はその状態が常日頃からずっと続いている状態となります。朝、目覚めた瞬間から常に交感神経が活発に働いて汗を出させてしまうんですね。わかり易く言うとストッパーが効かないわけです。

 

直接命に関わりませんが日常生活に支障が出る為、生活の質が著しく低下します。それにより社会生活ができなくなり副次的に命に関わる病気となります。また、精神的な物と思われてきましたが近年の研究で自律神経の異常が遺伝的、物理的な物だと言うことが解ってきました。

 

小さな頃から「大人になれば治る」とか「ただの気にしすぎ」とか「精神面を強くしろ」とか言われてきましたが現実はそうではなく、目が見えない、耳が聞こえない等と同じく物理的な物でした。気持ちで治るような物ではなく生まれつき体が異常に汗をかくように出来ているのです。

 

知らない人からすると「ただの汗かきくらいで大袈裟な!」と思われるかも知れませんが、当事者にとっては生きていく上での実害が大きく非常に深刻な障害となります。

 

多汗症の手術、ETS

 

19歳の時に手汗を改善する手術を受けました。

交感神経遮断術(ETS)と言い交感神経を遮断して発汗信号を脳に行く前に抑えて汗を減らすと言う物でこれは効果がありました。お陰様で手汗からは解放されて握手やレジのお金の受け渡しが苦ではなくなりました。

 

このETSには高い確率で【代償性発汗】と言う副作用が伴います。神経を切除して強制的に手汗を止める訳ですからその分、お腹や、背中等別の場所から異常発汗すると言うものです。

この代償性発汗が酷くて手術を後悔する方もいます。手術を受けてしまうともう後戻りは出来ません。

僕も手術を受ける前に色々と調べ、代償性発汗が極力少なくなる方法で手術をされていた山本兼平クリニックと言う病院で手術を受けることにしました。

通常100%切除をするところ、こちらの病院では50%切除、つまり神経の半分を残す事で代償性発汗を抑えると言うものでした。

結果として手汗は止まりました。

代償性発汗はやはり現れました。激しい運動をしたり夏の暑い日だと胸や背中に汗が異常に出る程度。あとは辛いもの(スパイス系)を食べると頭から異常に汗が流れる味覚性発汗も現れました。

しかしながら今までの手汗の不自由さと比較すると比べ物にならないくらい快適になりました。

この手術は受けて本当に良かったと思います。

 

これで普通の生活が送れると思ったのですが社会に出る上で一番厄介なのは足の汗だと言うことに気づきました。足の汗を止める手術は有効なものが有りませんでした。

 

足汗の弊害

 

先に日常生活に支障が出ると言いましたが僕の場合一番困るのはニオイの問題でした。

この世には細菌がいますから汗をかくと臭いを発します。普通の人の何倍も汗が出続けるのですから当然臭いも酷くなります。

家にいれば拭いたり洗ったり自由にできますが職場ではそうは行きません。

いくら入念に洗ったり薬剤を試したりイオントフォレーシスと言う電気の治療器を試したり背骨に注射を打ったり、現在試せるありとあらゆる手を打ちましたが一時的な気休め程度で効果がありません。

皆さんはどう改善しようにもどうにもならないことを経験したことがあるでしょうか?いくら頑張っても無理なこと。僕の場合まさにこれで、何をしても臭いを無くす事が出来ないのです。万策尽きたです。

 

社会生活での苦悩

 

靴を履いて1日働くと自分でも分かるくらいに異様な臭いが漂ってきます。

靴を履いた状態で、です。

この臭いは周りの人に迷惑をかけます。何足も買って毎日違う靴を履いても汗が靴に染みつきすぐダメになります。

最初のうちは上司に注意されたり臭いに気づかせるように気を使いながら伝えてくれたりするのですが対策法がないので改善できません。

いくら言っても改善しないとなると周りの人からは煙たがられ退職に追い込まれます。こうして今まで何度も転職を繰り返してきました。転職理由は100%臭いによる物が原因でした。働きたくても働かせてもらえないのです。

 

これがこの病気の一番の難点でQOLを著しく低下させる原因です。

 

例えばワキガの場合一般的に知られている為、そう言う体質だと言うことが解ります。煙たがられるかもしれませんが周りの方の対応もある程度理解がありますし手術で完治可能です。

 

一方、足汗の場合は難病故に認知度が低く臭ければただただ不潔にしている奴と思われて白い目で見られることになります。誰でも臭いなんて言われたくないですよね。しかし治したくても治す方法がありません。この認知度が低いと言う事が問題を加速させます。多汗症の方は症状を隠そうとします。その為いつまで経っても理解されない病気のままになってしまいます。その性質から「沈黙の障害」とも呼ばれているようです。

 

多汗症は理解されない病気

 

退職に追い込まれるパターンは大体同じで「洗濯機あるの?」とか「風呂入ってる?」とかそう言うレベルのことを言われ始めエスカレートして行く感じです。もちろん洗濯機もありますしお風呂でも人一倍綺麗に洗っています。人間は自分の知識の範囲内でしか物事を判断できないので多汗症の弊害を知らない方は本当に疑問に思うのだと思います。

 

また、「足が臭い」と言う事実は人格を全否定されてしまうような性質があります。(クレヨンしんちゃんの野原ひろしを見ればよく解ります)

世の中、できた人間ばかりではありません。

未熟な精神の人達からするとイジメの対象として恰好の標的になります。

足が臭い奴はカッコ悪い奴、ダサい奴と認識され、馬鹿にしていい存在となるわけです。

 

自分でも解っているのにどうしようもできない事でバカにされ続ける、、、はっきり言って地獄です。バカにされ嘲笑された経験選手権があれぼ僕はたぶん上位ランカーです。

上司に正直にこの病気のことを話し相談した事もありましたが所詮は他人事として扱われ排除の対象にされました。こう言ったドン底な社会経験を通して人間の非情さ、自分の身に置き換えて深く物事を考えられる人間の少なさを知ると共に、この病気が命に関わり得る事を痛感しました。

男が世に出ると7人の敵が居ると言いますが7人どころではありませんでした。

 

こう言ったマイナーな病気は局所多汗症の他にもきっとあるのだと思います。そこには他人には理解できない、当事者にしかわからない苦悩があるわけです。

だからこそ僕は他人を悪く言ったり勝手な憶測で非難したりしないよう心に留めて生きています。よくイジメられる側にも問題があると言う人がいますがその問題を好んで作っている訳はありません。誰でもバカにされたりイジメられるのは嫌です。

もし周りに非難されている人が居たら、「この人は何か他人に理解できないような問題を抱えているのかもしれない」と考えてあげて下さい。物事には裏側がありそれが起こる原因が必ずあります。結果だけを見て非難するのは子供のやることです。現代社会で問題になっていますが物事を深く考えられる人間が増えると【イジメ問題】は無くなっていくのだと思います。

 

こうした事を繰り返す内に社会に出ることへの疑問が出てきます。

 

無理して社会に出る必要あるの?

 

遂に開き直りニート

 

臭いで迷惑をかけてしまうのは間違いなくこちらの落ち度なのでここは自分から身を引くべきだと考えるようになりました。「僕は多汗症なので悪いけど臭いを我慢して下さい」なんて言うのは自己中心的な言い分ですしそれを理解してくれる職場に出会えるのは運の良い方だけです。集団に属して生きるのであれば体臭で周りの人に迷惑をかけないのは当然のマナーです。

 

社会に適合できない体なのであれば社会に出ずに稼いで生きていけば良いだけの話でした。人間には向き不向きが有ります。陸の魚なら海に戻れば良いだけでした。

 

暗い話になりますがこの病気で鬱病や対人恐怖症などに陥り人生を全う出来ない方もいるようです。

誰も好んでこの病気になる訳ではありません。不可抗力的に社会から孤立せざるを得なくなるという事はイコール死に結びつくのも無理はありません。独りで抱え込んでしまうと尚更です。

僕も一時期追い詰められましたがそんな時に現在の妻に出会い全てを話しました。妻は全てを理解し、支えてくれました。あの時に一人になっていれば今頃僕はお星様だったと思います。妻には感謝しかありません、、、mm

 

局所多汗症の僕が選んだ道~今、思うこと

 

社会生活に不向きなだけで人生諦めるのはもったいない。

確かに選べる仕事や生き方は限られてしまいますが必ず他の道があります。必ずです。

 

今現在、僕と同じような立場に置かれている方がこの日記を読んでいるかもしれません。

毎日が憂鬱でイライラして周りを気にしながら生きて行くのは苦痛以外の何者でもないと思います。

 

自分の身を置く場所を選ぶのは自分自身です。

レールから外れると必ず反対する人が現れます。親や周りの人に何と言われようがそんな物は無視して大丈夫です。

会社も学校も嫌なら行かなくて良い。別の道を探せば良いだけです。別の道はいくらでもあります。

 

集団に属していると目の前の世界が全てだと思い込んでしまいますが実際その世界はほんの小さなカケラくらいの物だったりします。

 

幸いにも現在はネット物販やプログラミング、せどり、投資系など自宅で稼ぐ手段が沢山あります。自営業で開業しても良いですし失敗しても日本には生活保護制度が用意されています。むしろ最初から「生活保護があるんだからやりたいことに挑戦しよう」くらいに考えないと行動に移せなかったりします。

 

「大衆は常に間違える」と言う相場の格言がありますがマイノリティにこそ優位性はあります。どの世界でも勝ち組は一握りの少数派です。

 

この病気の有病率は人口の5.3%だそうでその内レベル3となると1〜2%程でしょうか。この病気を抱えている時点でかなりの少数派になる訳です。これは他のみんなと違う事をする良い機会なのかもしれません。

 

抱えている問題は人それぞれ違うと思いますが

同じように苦しい思いをしている方がいればみんな同じです。

 

僕もまだまだ試行錯誤の最中ですが

 

「この病気のお陰で逆に人生うまく行ったわ」と言ってやりましょう。

 

 PS

 

 最後に、本間洸貴さんという方がクラファンで資金を集めこの病気のドキュメンタリー映画を製作されてますので紹介させて頂きます。↓↓ 


多汗症ドキュメンタリー『Voice〜伝える先に見えるもの〜』(Documentary video about hyperhidrosis)

 

今回の記事が認知度を上げる一助になれば幸いです。

 

 

ご精読ありがとうございましたmm

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